A.目はカメラのような構造で、さまざまなものの色や形を光の情報として取り入れます。目の虹彩はカメラの絞りに、水晶体 はレンズに、網膜(黄斑)はフィルムに相当します。実際にものを見るときは瞳孔から目に入った光が虹彩で調節 され、ピントを調節する水晶体で屈折、透明なゲル状の硝子体 を通過して、網膜の黄斑に焦点を結び、そして、その光が 視神経を通じて信号として脳に伝達され、像として認識される のです。
A.もちろん片目でものを見ることはできます。例えば片目をつぶってテーブルのコップを取ろうとした時、うまくいきにくいと思います。ところが両目なら簡単にできます。両目でものを見た時左右の目の網膜には少しづつ角度のずれた像が別々に写ります。脳はそれを統合して1つの像と感じるようになっており、その結果、遠くのものと近くのものを区別して立体的に見ることができるのです。この働きを「両眼視」といい生後3カ月ころから始まり、6歳ころまでに完成します。左右の目の網膜でとらえた映像を、脳が融合し、ひとつの見やすい映像に修正するはたらきが大切になる為、目は2つ必要なのです。
ちなみに両眼の視力の差が大きい目(不同視)や近くのものを見た時両眼の視線を集中できない目(斜視)は遠近感や立体感が充分ではないことがある為、両眼視が正しくできません。大人はこれまでの経験から距離感をある程度補えますが、子供の場合は経験も不足していますので注意が必要です。
A.度数だけでは快適な視力は得られません
1、顔に対してのレンズ傾斜角が約10度
2、瞳孔とレンズの光学中心が一致している
3、目とレンズの距離が約12㎜
というような条件が揃って初めて快適な正しいメガネとなります。
小さすぎるメガネは充分は視野を得ることができない場合もありますし、反対に大きすぎるメガネは周辺がゆがんで見えたり、疲れの原因にもなります。適切な大きさとデザインを選び、正しく調整してもらう事が大切です。
A.病気と言われることもあるようですが、一般的にはそのような認識はされていないと思います。
日本人には特に近視(遠くが見えない)が多いとされていますが、「近いものがよく見える目」なのですから「現代生活に適した便利な目」ともいえるでしょう。近視、遠視、乱視のどれにも当てはまらない「正視」の方はまれに見る「いい目」ですからそのすばらしい視力を大切にして下さい。
正常な目
網膜にピントがきちんと合っている状態
近視
網膜の手前でピントを結んでしまう状態。近くは見易いが遠くはぼやける。
遠視
網膜の奥でピントを結んでしまう状態。遠くのものが見易い目ではあるが、年齢と共にピント合わせが難しくなり老眼が早くきたように感じる。疲れやすい目。
A.そのようなことはありません。 一般的にメガネの度が変わるのは20代半ば(遠くの見え方で近視、遠視、乱視の度)までと40代後半から(近くの見え方が悪くなる老眼)と言われています。14・5歳までは身体の成長とともに眼球も大きくなり、それに伴って度も変わると言われ、20歳過ぎには一度安定します。40代後半になると体力の低下と同様、目のピント調節をする機能も弱くなり、度が変わるのです。「進むから…」と、合わないメガネを使っていると目の働きも悪くなり、よい視力も得られませんので、今の目に合ったメガネをお使い下さい。
若い方の場合は年に1、2回、40代以降の方でしたら2~3年に1度くらいの度数変化があると思って下さい。また度数が変化する要因は他にもあるので、気になる方は眼科へ行ってみましょう。
A.視力が悪い場合、目を細めるとよく見えるようになります。
これはカメラに例えるなら絞りを強くした場合に似ています。目に入ってくる光の量は少なくなりますが、網膜に映る像のボケ具合が小さくなるのです。目を細めるとものがはっきり見えるようでしたら要注意なので、早めに検査を受けて下さい。
A.一般的に中・高・大学生の場合、視力が0.7未満ならば授業中のみメガネを使用し、0.3未満ならメガネを常用するといわれます。
小学生の場合、黒板も近くて大きいので0.7でも読めている可能性もありますが、席順によっては学業にも影響しますので、早めにチェックを受けて下さい。大人の場合は基本的に本人が不自由に感じる度合いと目の疲れ具合によると言えます。しかし、車の運転等は別で必要な視力が法律で定められていますので、免許更新前には必ず視力検査をして下さい。
A.左右の目で見た映像は脳に送られて初めて立体な像となります。片方の目がぼやけていると立体視もぼやけるので、メガネは必要といえます。
子供の場合、正しい情報が得られず知能の発達が遅れたり弱視になることもあります。大人はボケた像を脳が修正して判断してくれますが、疲れの原因にもなりますし、使わない目の視力も衰えていくばかりです。
A.「ある」「ない」と諸説ありますが、「ある」という研究者は次のように述べています。
近視の予防策:目を疲れさせないことが第一といえます。パソコンのモニターやテレビ画面に近づきすぎないこと、部屋全体の程度な照明に気を配ること、目を使う仕事をするときは1時間に一度は遠く(窓の外など)を見つめて目を休ませることなど、少しの気配りで目への負担は大きく軽減できるといわれています。
老眼の予防策:歳をとると筋力が落ちてくるように、近くを見るときのピント調節力が弱くなってきます。これが老眼です。逆にいえば身体が若ければ目も若いということなので、日頃の健康管理に気をつければ老化の進行も防げるでしょう。
老眼は誰もがなる目です。掛けたくないと言って我慢していると、かえってストレスと疲れが溜まるので適したメガネをお使い下さい。
A.大きく分けて凸レンズと凹レンズの2つがあり、素材はプラスチックかガラスです。
今は95%がプラスチックレンズになっていますが、キズに強いガラスレンズを好む方もいます。重くて割れやすいのでフレームの種類も限定されるのが難点。一方プラスチックは軽くて割れにくく好きなカラーも入れられます。今はガラス並みに熱やキズに強いコーティングもありますので、こちらをお薦めします。
凸レンズ
中心が厚くまわりが薄い凸レンズは光を集める性質をもつ為、遠視の矯正用に使われます。
凹レンズ
中心が薄くまわりが厚い凹レンズは光を拡散させる性質をもつ為、近視の矯正用に使われます。
凸レンズ、凹レンズともに「ダブルレンズ」「フラットレンズ」「メニスカスレンズ」の3種類があり、メガネレンズは「メニスカスレンズ」が使われています。理由は他のレンズより収差が少ない事、外観がよいことと、フレームへの枠入れ加工がしやすいなどのメリットがあるからです。
A.アレルギーの原因で一番多いのはニッケルですが、メガネフレームでもアレルギーを起こし皮膚に炎症を生じる事があります。
洋白、サンプラチナ、ハイニッケルなどニッケルを主成分とした合金を使用したフレームやメッキにニッケルを含む材料を使用した場合、アレルギーの原因になります。最近のフレームはアレルギーの生じにくいチタン素材が主力になっていますし、顔に触れる部分は樹脂素材など安全なものが増えています。
A.メガネは遠くがよく見えるのが一番と思っていませんか?実は「よく見えるレンズの中でも最も弱いレンズ」が最適な度数といえるのです。
近視の人がめいいっぱいの度数をかけると、その分近くを見る時にピント合わせの努力が必要となります。目を酷使し、負担もかかるので弱めのレンズで作るのが快適です。
A.遠近両用レンズは掛け始めの年齢が大切で、老眼の始まりと言われる40代に使い始めれば違和感もなく階段が怖い事もありません。
ただ、レンズの設計上ゆがみを取り除く事は出来ませんので、掛け始めは慣れる事が大切です。個人差はありますが、すぐに使える人もいますし、まずは勝手の解るお家で掛ける事をお薦めします。
レンズの種類による見え方の差(画像クリックしたご覧下さい)
レンズの設計 (用途によってお選びするレンズが異なります)
近用レンズ
新聞を読む時、事務作業をする時
長所
長時間の読書、事務作業が楽にできる
短所
顔を上げた時遠くはボケる
近近レンズ
パソコン画面とキーボードを見る時
長所
パソコン画面とキーボードが両方見れる
短所
手の届く範囲は見えるが遠くはボケる
中近レンズ
手元から5メートル範囲を見る時
長所
新聞を読みながらテレビも見れる
短所
外出時は遠くがボヤ ける
遠近両用
車の運転、手元から5メートル以上先を見る
長所
車の運転から掛け外しなく手元まで見れる
短所
長時間の読書や事務作業は疲れる
レンズにも様々な種類があります。使用目的によって使い分けをお薦めします。
A.コンタクトレンズとメガネの度数は違います。
メガネの場合、目とレンズの間に12㎜の間ができます。つまり、目に直接つけるコンタクトレンズは網膜との距離がメガネに比べて短いので、近視ならコンタクトレンズの方がメガネより弱い度数で作り、遠視の人だとその逆になります。
A.プラスチックレンズは熱に弱いため、レンズの表面が劣化します。
車の中にメガネを置きっぱなしにする人がいます。真夏の日中になると車内の温度は70~80度まで上昇、プラスチックレンズやフレームは熱で変形し、レンズコートもひび割れてしまうことがあります。たとえケースやカバンに入れておいても温度は上がりますので車内に置きっぱなしはやめましょう。
正しいメガネ選びで快適なメガネライフをお過ごしください